水痘(水ぼうそう)
一般的に「みずぼうそう」と呼ばれています。水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染したときに生じる急性の発疹症です。このウイルスは感染力が高く主に空気感染、飛沫感染で広がりますが、水疱(みずぶくれ)にもウイルスが存在するため接触感染する場合もあります。潜伏期間は感染してから2週間程度といわれています。
37-38度程度の発熱、倦怠感、食欲不振など風邪様症状の1-2日後から典型的な経過では体に紅斑(紅い斑点)が出現し水疱、膿疱(膿をもったみずぶくれ)になり痂皮化(かさぶた)していきます。すべてが痂皮になったときに治癒したとみなします。
1-5歳の小児に多くみられる病気でしたが水痘ワクチンが定期接種になって以降は小児の発症数は減少しています。症状も軽く水疱が1-2個のこともあり診断に苦慮する場合は抗原検査をすることがあります。水痘の免疫を持たない場合は成人でも発症することがあります。小児より強い症状を起こすため注意が必要です。
治療法
通常、経過は良好で7-10日で治癒します。全身状態が良好な場合には自然治癒が期待できます。治療を行う場合には抗ウイルス内服薬(バラシクロビル)を使用します。内服することにより症状が緩和され水疱、膿疱が痂皮化します。発疹が出現してから48時間以内に内服を開始すると効果的です。
高熱があるときは解熱剤を使用することもありますが小児ではアスピリンなどの解熱剤によるReye症候群という重篤な副作用を生じる可能性があり注意が必要です。成人では発熱や倦怠感などの全身症状が強くでるため入院して抗ウイルス薬の点滴を必要とすることがあります。
患部は清潔にしてかゆみのある場合はフェノール・亜鉛華理リニメント(カチリ)や抗菌外用薬を塗布します。ウイルスが手指につかないよう綿棒などを使用しましょう。
発疹出現の1-2日前から痂皮化するまでは感染力があります。原則としてすべての発疹が痂皮化するまでは登園・登校ができません。