帯状疱疹
子どものときにかかった水痘(水ぼうそう)の原因である水痘・帯状疱疹ウイルスは水痘が治った後も体内に存在します(潜伏感染)。加齢やストレス・過労などで体の免疫力が低下すると神経に潜んでいたウイルスが再び増殖し神経を伝わって皮膚に到達し皮膚症状を起こします。通常は左右どちらか片側に痛みをともなった紅斑(紅み)や水疱(水ぶくれ)が出現します。
治療法
抗ウイルス薬(バラシクロビル)を内服し治療します。重症の場合は病院に入院し抗ウイルス薬の点滴が必要になることもあります。
痛みが強い場合は鎮痛剤の内服を併用します。皮膚症状がおさまった後も痛みが残るときはペインクリニックで専門的な治療を受ける必要があります。
早期に治療を開始し病状の程度が軽いほど痛みが残りにくくなる可能性が高くなりますので早めの受診をお勧めします。
帯状疱疹発症予防のため50歳以上の方に予防接種も行っています。(自費治療・福岡市は現在助成がありません)。
帯状疱疹のワクチンによる予防接種
帯状疱疹は過去に水疱瘡にかかったことのある方であれば、どなたでも発症する可能性のある疾患です。
おびを巻いたように広がる紅みの上に水ぶくれが出現し、しばしば耐え難い痛みを伴います。全身どこでも出現する可能性があり、特に頭部や顔面に出現した場合は重篤になることがあります。通常は3-4週間でおさまりますが、高齢者や免疫が落ちている場合、出現した紅みや水ぶくれがひどい場合は長い間、神経痛に悩まされることがあります。
現在、50歳以上の方は予防接種を受けることができます。当クリニックで接種をご希望の場合、接種可能かどうかは治療中の病気および内服中のお薬についての情報が必要になります。ご相談時には必ずお薬手帳などをご持参ください。
料金について
ご相談のみの場合:診察料
550円 税込
乾燥弱毒不活化生水痘・帯状疱疹ワクチン:1回接種(皮下注)
9,500円 手技料込み・税込 ※1
乾燥組み換えサブユニットワクチン(シングリックス):2か月間隔で2回接種(筋注)
45,000円(2回分)手技料込み・税込 ※2
※1:免疫抑制状態の方、免疫抑制療治療中の方は接種できません。他の不活化ワクチン(コロナワクチン含む)とは2週間以上、生ワクチンとは1か月以上、前後の間隔をあける必要があります。
※2:他の不活化ワクチンとは2週間以上、前後の間隔をあける必要があります。
帯状疱疹のワクチンの比較
乾燥弱毒生水痘ワクチン | 乾燥組み換えサブユニットワクチン(シングリックス) | |
予防効果 | 50-60% | 90%以上 |
持続期間 | 約5年 | 9年以上 |
副反応 | ごく稀に水痘様発疹 腕の腫れ、痛み(44%) | 腕の腫れ、痛み(78%) 筋肉痛、倦怠感(40%) 発熱(18%) |
接種できない方 | 本剤におけるアナフィラキシー既往 免疫不全・免疫抑制者 免疫抑制治療中の方 | 本剤におけるアナフィラキシー既往 |
予防接種を受けられない方
- 明らかに発熱のある人(37.5℃以上)。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな人。
- 水痘・帯状疱疹を予防するワクチンに含まれている成分で過去にアナフィラキシーを起こしたしたことがある人。
なお、他の医薬品でアナフィラキシーを起こしたことがある人は予防接種を受ける前に医師へその旨を伝え判断を仰いでください。 - 妊娠していることが明らかな人。
- 先天性及び後天性免疫不全状態の人。(水痘生ワクチンの場合)
急性及び慢性白血病、リンパ腫、骨髄やリンパ系に影響がある疾患、HIV感染またはADISによる免疫抑制状態、細胞性免疫不全症など。 - 副腎皮質ステロイド剤や免疫抑制剤内服治療を受けており、明らかに免疫抑制状態の人。(水痘生ワクチンの場合)
- その他、医師が予防接種を受けることが不適当と判断した人。