蕁麻疹
突然、皮膚に蚊にさされたような紅く盛り上がった皮疹(膨疹)が出現し、いつのまにか自然に消退しますが再出現を繰り返す疾患です。日本では一生のうちに5人に1人が経験するといわれています。蕁麻疹と聞くと食物アレルギーがすぐ頭に浮かびますが、実際はアレルギーが関与している蕁麻疹はそれほど多くなく、特発性という原因がよくわからないものがほとんどです。
急性蕁麻疹:発症後すぐの蕁麻疹。細菌・ウイルス感染などがきっかけとなり出現することが多くあります。
慢性蕁麻疹:1か月半以上続いている蕁麻疹。特発性に場合が多くストレスや疲労などが関係しているといわれています。
アレルギー性蕁麻疹:食物や虫の毒素、植物などに暴露すると発症します。ある特定の食物(小麦など)を食べたあと、運動することにより誘発され、重篤な症状(アナフィラキシー症状)をきたすことがあります(食物依存性運動誘発性アナフィラキシー)。解熱鎮痛剤が関与している場合もあります。
物理的蕁麻疹:皮膚に刺激が加わることで生じる蕁麻疹。日光や気温の変化、振動や圧力などが原因となります。
コリン性蕁麻疹:入浴や運動・緊張で汗をかくことに関連して出現する蕁麻疹。膨疹のサイズが1-4mmと小さくチカチカした刺激感を感じることがあります。
アスピリン蕁麻疹:アスピリンなどの非ステロイド系鎮痛剤で誘発される蕁麻疹。非アレルギー性蕁麻疹。
治療法
抗ヒスタミン剤の内服が基本です。治りにくい場合は短期間のステロイド剤の内服や漢方薬などを併用することもあります。コントロール不良の慢性蕁麻疹はデュピルマブの注射も使用できるようになりました。